ホリクロ雑記

24歳男性大学院生のブログ

ゲイのカミングアウトについて考える

プロフィールにも書いてあるとおり、私はゲイなんですが、友達が親にカミングアウトしようか悩んでいるのを見て、ふとカミングアウトについての自分の意見を書きたくなりました。

 

 

当然ですが、この世界では異性愛者、ヘテロセクシュアル(以下、ヘテロ)であることが一般的で、それを前提でいろんな話をし、ゲイである僕らはそれをうまく誤魔化しながら話を進めることが大半です。

 

悪く言えば嘘を付いていることにはなるんですが、ゲイが周りにいない人にとっては特異な存在であり、それを気持ち悪いと思われるのも無理はないのが現状なので、そうやって自分の身を守り、関係を平穏に保つ努力をしています。

 

そんな私は、20歳になるまでヘテロの人に自分のセクシュアリティを打ち明けたことはなく、ゲイの人と会ったのも18歳になってからでした。

今は、交流のあるほとんどの友人、父以外の家族に知られていますが、後悔したことはいまのところ全くなく、むしろ良いことが多くありました。

自分の体験談を含めて、カミングアウトをする必要性について書きたいと思います。

 

 

母に打ち明けたときの話

 

母からは、ずっとゲイなんじゃないかと疑われていましたが、そうじゃないと信じたい気持ちもあったようで、ずっとモヤモヤした状態になっていたようです。

私自身も、帰省するたびに彼女のこととかセクシュアリティについてしつこく聞かれるのがだんだん嫌になってきて、隠しつづけているのがつらくなってきていました。

 

そんな話を、私が大学3年の時に店子(みせこ)としてバイトで働いていたミックスのゲイバーですると、「じゃあお母さんを呼んで打ち明けるきっかけを作ろうよ」という流れになり、母が上京したときに私がノンケ(ヘテロ)という設定でお店に呼んだのであります。

お客さんのみんな、ママも、私をヘテロ設定として頑張って接してくれて、母も初めて(ゲイと認識して)会うゲイの人たちと交流して、見方が変わったようでした。

それから家に帰り、自分がゲイであること、お店の人たちが協力してくれたこと、すべてを打ち明けました。

最初は理解を示しつつも、やはり少し混乱していたようでしたが、だんだんと理解を深めてくれて、いまでは彼氏のことも話しますし、なんの壁もなく普通に接することができています。

 

私に「ゲイになってしまうような育て方をしちゃったのかな…申し訳ない…」と泣きながら謝られたこともありましたが、熱心に、とても良い育て方をしていたと思いますし、そもそも親にはなんの非もありません。

人それぞれに性的指向というのがあって、大半が異性愛者で、数パーセントの確率で同性愛者、両性愛者、無性愛者などがいるだけの話です。異常でもなんでもありませんし、他の生物にも存在しています。

よって、ちょっと話は逸れますが、「同性愛を認めることは少子化につながる」なんて考えはナンセンスで、認めなかったところで異性を好きになることはありませんし、無理矢理異性と結婚させて子供を作らせても苦痛を強いらせるだけです。

 

 

ちなみに母に言って少し面倒になったことといえば、切れ痔になったと言ったら真っ先にソッチの方で疑われ、しまいには「ちゃんとゴムしなさいね!!!HIVに気をつけて!!」と言われたりするぐらいですかね(ちなみに私はそんなプレイを一切しませんw)

まぁ、もともと私の母がちょっと変なだけなんですが…(苦笑)

 

 

友達に打ち明けたときの話

 

現時点では、大学時代の友達と、ごく一部の高校時代の友達にしか話していませんが、特に嫌な思いをすることもなくすることもなく、楽しくやれています。

 

ヘテロの人たちに最初に打ち明けたのは、大学生の時にゲイを題材にした作品を作るためにやったスタッフ達との顔合わせの時でした。

「私自身がゲイだからこのような作品を撮りたい」と、説得力を強めるために思い切って言ったのですが、最初はどんな反応をされるかすごく怖かったです。

でも、減った友達は一人もいませんし、むしろ何かから解放されたようでした。

そんな大きな出来事が在学中に2回ほどあり、大学時代の友人の大半は私がゲイであることを知っています。

 

女性と深い話をすることが増えて、それで親友ができ、男友達からはAV女優の話や「彼女できたー?」の問いをされることもなく、気持ちはすごく楽になったと思います。

 

たまに、男友達からは、デリカシーのない冗談を言われたりもしますが、私もそれに対抗して下世話なことを言って笑いを取ってるので、まぁ結果オーライです。

 

ただ、中高の同級生のような旧友に打ち明けられるかと言われたら、少々微妙なところではあります。

長い間ヘテロとして交流していたので、いきなり打ち明けるのも相手はビックリするでしょうし、打ち明けてからどんな対応をされるか未知数なのであります。

それに、「まぁ、そんなに会うわけでもないし別に言わなくてもいいかー、このままにしておこう」と消極的な気持ちにもなって、いつもためらってしまいます。

そんなに会わないなら別に言っても良くね、と自分でいま書きながら思いましたが、やはり長年言わなかったから波風立てずにそのままにしておきたいっていうのが一番大きいですよ。

 

 

どうしても打ち明けられない人がいる

 

それは、父です。

父は65を過ぎていて、頭の固い人なのですが、あまりにも保守的な考えを持つ人なので、なかなか言う気持ちにはなれません。

戦争を体験したことがないくせに「いまの若者は戦争に行くべきだ!」とかとんでもないことを平気で言うので、私を含め家族全員は「死ぬまで黙っておいたほうが良い」と思っています。

 

理解がないはずだと、勝手に決めつけるのも良くないのは分かるんですが、それでも普段の言動を見ていると、言わないほうがお互いの益になりそうなので、少なくとも社会に出るまではずっと黙っていようと思っています。

 

 

カミングアウトの必要性

 

私の場合、家族や友達にカミングアウトして、結果的に良い状態になってはいますが、それを他のゲイにもお勧めできるかと言われたら、正直どちらとも言えません。

 

私の父のように、とても保守的で頭の固いような人もいますし、理解してくれない人もまだまだいるのが現状だからです。

一人っ子の家庭では、たとえ両親が理解を示してくれたとしても、少なからず複雑な気持ちになってしまうでしょう。

 

ヘテロの方々に気持ち悪いと思われるのは、ゲイの私もしょうがないとは思っています。

ヘテロにとっては異性を愛することが常識で、同性を好きになるなんてことは自分にとってはありえないという価値観になっているはずなので、そりゃ自分の価値観で当てはめたら「ホモキモい〜」と思いますよね。むしろ理解してくれる人には「自分の価値観に当てはめずに理解してくれるのありがてえ!!」ぐらいの気持ちで。

 

 

少々マイナスなことを言ってしまいましたが、適度なカミングアウトも必要だとも思います。

ゲイプライドのパレードなどはあまり自分の肌には合いませんが、性的少数者が身近にいるという認識は、案外大きいんじゃないかと。

理解のない人の大半は、周りにそういう人がいないので「ゲイは男なら誰でもいい」とか「ゲイは一種の変態趣味」だとか漠然とゲイに対するイメージが作られているに過ぎないのです。宇宙人みたいなもんですねきっと(笑)

 

私の母も、ゲイに対しては多少は理解があるようでしたが、それでもゲイの人たちと会う前と会った後では、印象がだいぶ変わったようでした(もちろんいい意味で)。

それに、私と母のように長年モヤモヤしていたものが消え去ったり、女性と腹を割って話すことができて良き親友ができたりと、より良い関係を持つことができる場合もありますし、なにより自分自身がすごく楽になれます。

 

 

パーソナリティ > セクシュアリティ

 

とはいえ、わざわざセクシュアリティを自らいろんな人に言いふらすのもなんか変な感じですし、「入社試験の面接でゲイだと言ったら落とされた」って記事を見て「そんなことわざわざ入社試験で言うほうがおかしくない? それ以外に言うことないの?w」という感想を持ちました。

 

 

そのように思うのも、私自身がセクシュアリティよりもパーソナリティがなによりも大事だという考えを持っているからかもしれません。

 

私の尊敬する人が、セクシュアリティがどうでも良くなるぐらいのパーソナリティで勝負だ!」と言っていましたが、その言葉が今でも胸に焼き付いてます。

当時高校3年の私は「そうか、セクシュアリティのことばっか考えてたけど、結局それってその人のごく一部の性質にすぎないし、結局はパーソナリティなんだよな、すごく前向きで素晴らしい考え方だな」と、非常に感動していました。

 

惹かれるパーソナリティを持っていれば、その人がどんな性的指向だろうがどうでもよくなると私は思っているので、そんなパーソナリティを目指して生きていきたいですね。私の尊敬する人もまさにそんな感じで、ゲイもノンケも関係なく幅広い交友を持っていて、いろんな人から愛されています。

 

 

まとめ

 

まとまりのない文章になってしまいましたが、どうしてもケースバイケースなので、カミングアウトっていうのはどれが正解かなんて分からないんです。

 

私は「自ら進んで言わないけど隠すわけでもない」というスタンスでやっていきたいとは常々思っていますが、なんだかんだでゲイを疑われるとついつい否定して波風立てずに過ごそうとします。

 

でも、自分のためにも、他の性的少数者のためにも、偽り続けるのが辛くて打ち明けたくなったら、打ち明けてもいいんじゃないかなとは思います。意外と理解してくれる人は多いですし。あ、でもノンケに恋すること、告白することはお勧めしないとはきっぱり言っておきます(笑) 告白したことはないですが…。

私の母のケースのように、カミングアウトする前にゲイの友達とかに協力してもらってゲイの人たちとお話させて、反応を見たりするのもいいと思いますしね。

 

ちょっと特殊な例もありますが、私の事例が何かの参考になれば幸いです。

理解されるのに時間を要することだってあるかもしれませんが、何事も前向きに考えるのが大事ですよ、きっと。

 

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チラシの裏の裏。

中高時代、誰にも言ってないのに「オカマ」と罵られたり、誰にも打ち明けられずに一人で泣いたり、聖書を読んで「俺って滅ぼされるべき存在なのか…」と疎外感を感じたこともありましたが、今ではゲイの友達もいっぱいできましたし、一生できないと思っていた恋人もできましたし、セクシュアリティのことなんかほとんど悩んでませんし、むしろいまは「最近太ったな…嗚呼…筋肉ほひい…イケメンになりたかったァ…」とお風呂場の鏡を見て幻滅するぐらいです。

「ノンケに生まれたかったーーーーーーー」と嘆いてた中高時代でしたが、今ではホモでも良かったと思っています(笑)

 

かつての私みたいに誰にも打ち明けられずに、苦しんでいる人がこの記事を読んでいるかもしれないですが、アメリカでは同性婚が認められ、日本でもまだまだ課題が多いとはいえ、パートナーシップ条例も制定され始め、ここ十年で日本含む、世界の性的少数者の事情は確実に大きく変わってきています。とりあえず、ネット上でもなんでもいいので、同じようなセクシュアリティの友達を作ってみてください。それだけでも大分変わるはずです。